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子どもたちの成長と、本を読むということ

長く診ている子どもたちが、しばらくぶりに来院すると、ときどき驚かされます。
思春期の成長は本当に早くて、こちらの目線をあっという間に追い越していく。
「背、伸びたねぇ!」なんて言いながら、内心では月日の速さにしみじみしてしまいます。

虫歯も歯肉炎もなく元気なら、とても安心しますし、
もし少し気になるところがあっても、「これからまた一緒に頑張ろうね」と声をかけられるくらいには、成長の姿がうれしいものです。

数年前のこと。
診療の合間のちょっとした待ち時間でも、本を手放さない小学生がいました。
読んでいたのは、はやみねかおるさんの『都会のトム&ソーヤ』シリーズ。
作者が“子どもたちにもっと本を読んでほしい”という思いで書き始めた作品だと知り、興味が湧き、私も読んでみることにしました。

それがまた面白い。
児童書とは思えないほど構成がしっかりしていて、大人でも引き込まれるミステリーでした。
「この子と同じ本の話ができるのが嬉しい」なんて思いながら読み進めたのを覚えています。

今はその子もすっかり大きくなりました。
本を片時も離さない…という姿はさすがに見なくなりましたが、
かといってスマホにずっと夢中ということもなく、それがまたちょっと安心だったりします。

子どもによって、心に響く本はそれぞれ違います。
けれど、読みたいと思える良い本に出会えた子は、きっと大人になっても“世界を広げる力”を持っている。
そんな気がしています。

読書の秋。
成長していく子どもたちが、それぞれのペースで、本や経験や人との関わりを通じて世界を広げていく姿を見るのは、歯科医としても人としても、何よりの楽しみです。