ブログ

防災の日に考える──災害時の歯と口の備え

9月1日は「防災の日」。日本に暮らす以上、地震や水害などの災害はいつ起こっても不思議ではありません。非常食や飲料水、懐中電灯を備えている方は多いと思いますが、歯や口の健康について備えを考えたことはあるでしょうか。

実際に災害が起こったとき、人は「とにかく生き延びること」に必死になります。歯を磨く余裕などほとんどない──これは私自身が中越地震の発災時に体験しました。あの日は長岡市内で診療中でしたが、夜は車中泊。正直、歯磨きどころではありませんでした。歯科医の私でさえそうなのですから、一般の方が口腔ケアまで気が回らないのは当然だと思います。

しかしだからこそ、平時から「予備力」を備えておくことが大切です。
口腔内が健康であれば、多少磨けない日が続いてもすぐに深刻なトラブルになるわけではありません。反対に、虫歯や歯周病が進んでいる状態で災害に遭うと、飲食がつらくなったり、全身の健康にまで影響が及んでしまう可能性もあります。

具体的にできる備えとしては、水を使わずに使える液体歯磨きやマウスウォッシュを非常用持ち出し袋に入れておくことも有効です。避難所などでは水が限られるため、こうしたグッズがあるだけで口の中を清潔に保ちやすくなります。

また、災害は「長期戦」になることも少なくありません。入れ歯を使用している方は、洗浄剤やケースを備えておくことも安心につながります。

そして忘れてはいけないのは、普段の生活こそ最大の防災だということ。
日常的にしっかり歯を磨き、定期健診でトラブルの芽をつぶしておく。これが「もしものときに強い口」をつくる一番の方法です。

ちなみに私も昨日今日とローリングストックの確認をしました。レトルトご飯の賞味期限が切れかけていて、慌てて夕飯に出したところです。食料の備蓄も歯の備えも、「気づいたときに慌てないように」が合言葉かもしれませんね。

防災の日をきっかけに、ぜひご家庭でも「歯と口の備え」についても一度考えてみてください。